遠近両用コンタクトのしくみ
遠近両用コンタクトは簡単に言うとこのような仕組みになっています。
近視の方が多いので近視の場合を例えに説明をしていきます。
コンタクトレンズの度数(PWR)が-6.00であったとしましょう。
通常のコンタクトレンズの場合、全体が-6.00と言う度数になっているので、遠くがとてもよく見えるようになっています。ところが水晶体を膨らませピントを合わせて近くを見るという調節が思うようにできなくなっていますので近くのものがよく見えません。
そこで同じ1枚のレンズの中に遠くを見る部分と近くを見る部分がある訳です。近視の人の場合、手っ取り早く近くの物を見るときには度数を少し弱くしてあげれば楽に見えるようになります。この「少し弱くしてあげれば」と言う部分、これがADD(加入度数)なのです。
コンタクトレンズの度数は1段階0.25刻みになっています。例えば4段階度数を弱くしてあげるとしたらADD+1.00と言うことになる訳です。
そうすると1枚のレンズの中に「-6.00と言う遠くを見る部分」とADD+1.00をした「-5.00(-6.00+1.00)と言う近くを見る部分」とがあることになるのです。レンズのどの部分に-6.00が配置されて、どの部分に-5.00が配置されているかはレンズのタイプ、種類によって異なります。
年を重ねるとこのADDがやがて+1.50や+2.00、+2.50と増えてくるのです。これは水晶体が膨らまなくなってきた分を補うためのものなのです。