コンタクトレンズ装用中の老眼対応について
コンタクトレンズの愛用者にとってはコンタクトレンズを装用している状態が日常であり、装用していない方が非日常と言っても過言ではないと思います。ではコンタクトレンズを装用しながら誰もがやがて迎えるであろう「老眼」に対応するにはどのような方法があるのでしょう?
①、コンタクトレンズの上から老眼鏡をかける
一番確実で見やすい方法です。遠く用に合わせたコンタクトレンズの上から老眼鏡をかけます。老眼鏡をかけるということに抵抗がなければ簡単で確実な方法です。
②、①の逆の方法をとる
手元用のコンタクトレンズを常用レンズとして、その弱いコンタクトレンズの上から不足分のメガネをかけると言う方法です。ただし上記のパターンで使用するメガネはコンタクトレンズの上からかけるメガネですから、コンタクトレンズの度数が変わればおのずとメガネの度数も変えていかなくてはなりません。
③、通常使用しているコンタクトレンズの度数調整を行う
老眼は加齢に伴う調節の異常、つまり水晶体を思うように膨らませることができなくなった状態ですから、膨らまなくなった分度数を弱めにしてあげるとその分手元の物は見やすくなるのです。例えば-6.00の度数を-5.50や-5.00に落としてあげるのです。弱くした分だけ手元が楽になります。しかし度数を落とした分、遠くの見え方が落ちてしまいますのでそのバランスは個々の生活に合わせて考えなくてはなりません。(車の運転など)
④、③の方法を必要に応じて使い分ける
単純に言えば遠く用の度数のコンタクトと近く用の度数のコンタクトを両方持つということです。そしてその日の生活に応じて使い分けると言う方法です。
⑤、遠近両用コンタクトに変える
遠近両用コンタクトに変えることができれば、一番それがスマートな方法です。ただし遠近両用コンタクトにもやはり相性の良し悪しもあります。またメガネと異なり、わずか14.5mm前後の大きさのレンズの中で遠用と近用があるわけですから、その見え方に馴染めないと言う人がいるのも事実です。まずは検査を受診し、体験してみることからスタートです。
⑥、モノビジョン
通常人間は、右目と左目を使い物を見て、それを頭の中で一つの像にして立体的に捉えています。ところがわざと右目を正視(目のいい状態)にして左目を近視の状態にするという方法があります(逆のケースもあります)。この方法をモノビジョンと呼んでいます。簡単に言えば片眼は遠くを見る用の目として使い、もう片眼を近くを見る用の目に使うと言う方法です。慣れてしまえば遠くも近くもメガネなしで見えるという利点はありますが、モノを立体的に捉えると言う点では劣ることになりますし、慣れなければ頭痛や肩こり、眼精疲労の原因にもなりかねませんのであまりお薦めできる方法ではありません。